北海道の道北の羽幌町にはかつて炭鉱がありました。
いくつかの鉱区にわかれており町が形成されていたようです。
そのなかの一つが羽幌本坑。
今回はその中のあまり知られていない羽幌本坑浄水場に向かいました。
羽幌の炭鉱のほとんどは閉山後、一年ほどで大半が無人地帯。
現在はヒグマの生息地となっており、羽幌本坑も同じです。
羽幌本坑の奥の奥、
そこにひっそりと羽幌本坑 三毛別浄水場跡があります。
この羽幌本坑 三毛別浄水場跡以外にも
羽幌にはいくつか遺された遺構があります。
有名な廃アパート群や病院跡、
ほぼ誰でも到達可能な上羽幌の浄水場も残っていますが、
ここはちょっと特別。
なぜなら、
最初にお伝えしたとおり、
インターネット上ではあまりおおくの情報がでていないのです。
まさに知る人ぞ知る、到達困難な場所なのです。
仮に知っていたとしても、時期を間違えると(間違えなくてもキツイ)
激薮の中をさまようこととなるでしょう。
一度目のチャレンジ
羽幌本坑(三毛別)浄水場へニナ(himajine_syasai Twitterもやってます!フォローしてね)とスケキヨ氏、その他複数名で目指しました。
羽幌本坑の選炭場から旧道の方に向かい、
そこから現地を目指しました。
いくつか気になる廃墟アパートを軽く見ながらも、
スケキヨ氏があらかじめ用意していたGPSが示す方角へと向かうことに。
一度目のチャレンジでは、スケキヨ氏も含めて『
確実』な場所をわかっていませんでした。
わかっていたことは、名羽線の跡を途中まで歩きつつ、
途中から藪漕ぎしつつ進んでいく。
それしかわかっていませんでした。
予想以上の笹薮で困難
名羽線跡を歩いていくと急激な笹薮により激薮漕ぎに。これを嫌った一行は、近くの林の中へ…。
その中にはいくつか住宅の跡と思われる基礎や、
池が残っていました。
林の中から名羽線の方を目指すも、さらに激しい激薮、
足元が見えない斜面で危険だった為、
名羽線方向に向かうのはあきらめました。
もしかすると林の中の上の方から季節的に浄水場が発見できるのでは…?と、
斜面をあがっていきました。
すると、そこにはたしかに遺構があったのです。
水をプールするいくつかの水槽や謎の計器が見つかり、
メンバー一同歓喜でした。
思っていた場所ではないけれど、
間違いなく浄水施設の『なにか』だと。
しかし、
そこが浄水場だと示す情報が足りなさすぎました。
スケキヨ氏が見たという数年前のネットの記事には浄水場の外観がはっきりと写っています。
それが見れないことには、決定的なものではなく…
まさか数年で倒壊したとも考えられず…
結局その日は探索をあきらめ、
羽幌の郷土資料館にて情報をあつめることに。
結果、初日発見したのは配水池だった
その場所は結果として配水池でした。
おそらくスケキヨ氏がいぜん見たというブログにも記されていない、
ネットの大海には一度もでてきてない配水池でした。
これはこれで新たな発見なので
よろこぶべき発見だったのはいうまでもありません。
二度目のチャレンジ
同じく春先にチャレンジ。
メンバーは多少の入れ替えはあったものの、
ニナとスケキヨ氏、その他数名にて。
TwitterのDMなどで、あーでもないこーでもないと、
情報を交換し、Googleマップで確認できた遺構と、
過去の航空写真を照らし合わせ、
浄水場と思われる施設を目指します。
結果からいうと、これはまた見当違いの建物だったのですが、
ネットにはほとんど遺されていない羽幌本坑の独身寮の跡でした。
(今は寮も配水池も浄水場もご丁寧にピン留めされています)
しかし一同、大喜び。なんせ外観から内部まで、
それまでほとんど(少なくともその場にいた全員)が見たこともないものだったからです。
これまたネットの大海にはほ、
ぼほぼ遺されていない寮で以外と知らない(表向きにだされていない)
場所はあるのだと実感しました。
結局二度目のチャレンジも浄水場を見つけるにはいたらず、
次回秋口にもう一度いってみようとなったのです。
↓記事途中ですがコチラもオススメ↓
三度目の正直!浄水場を発見!
三毛別浄水場を探すだけで
三度(他にも合わせたら5回以上)も羽幌町にいったニナ、スケキヨ一行。
羽幌の郷土資料館や、
事前に調べた情報をもとに、
羽幌本坑浄水場へ。
最初スケキヨ氏の見たてどおり、
やはり名羽線の上をGPSの方向にしたがって歩きはじめました。
春先より多少まし、
だけど少し歩いていくと春先と同じく笹薮が立ちはだかりました。
春先は薮こぎを嫌って林の中へいきましたが、
二度も遠回りをし、
可能性をすべて潰してきた我ら一行が目指す先は、
スケキヨ氏の最初の見立て通り、名羽線の笹薮の先。
意を決して激薮をこえていった先に、
視力のいい私が声を張り上げてしまいました。
『あそこ!何か建ってる?!』と。
探索しているとあるあるですが、
何もないのに『何かがある』ように見えてしまうのです。
なにしろ三回目のチャレンジ。
何もないのに何かがあるように見えてしまうのも無理もないのです。
まわりも『え?どこ?』といった反応でした。
が、そこから数メートル薮を漕ぎ進んでいくとスケキヨ氏が、
『あった!!見えた!』
と声を張り上げます。
GPSを確認しながら。
その声で自分もメンバーも間違いなく目的地、
ゴールだと確信しました。
そこから藪漕ぎしつつ羽幌本坑(三毛別)浄水場へ。。。
やっと(半年)計3回に渡り探索した目的地へ到着です。
外観のコンクリートは原型をキレイに残したまま、
美しく苔が装飾をしています。
なかは他の浄水場と同じく一階はパイピングギャラリ(配管室)。
各種配管が構成されています。
二階にはレトロなテレビが置かれており、ろ過池、
プレシピテーターと呼ばれる川の水と薬剤をいれ、
まぜることで水の中のゴミを固め、
きれいな水と沈殿物に分離させる装置などがあります。
羽幌の他の浄水場と比べても到達難易度が高く、
情報が少ないため荒らされていない三毛別浄水場の美しさは格別でした。
浄水場に目指す方へ
もし行く場合、一人で行くことは極力避け、
経験者と同行すると良いでしょう。
羽幌本坑浄水場は、私たち複数メンバーで数回にわたりアタックしつづけた結果、
その中で何度か熊の足跡を見つけたりしながら、
やっと発見、
到達できたのです。
一人で行くのはかなり危険です。
三毛別浄水場(羽幌本坑浄水場)は
北の細道の管理人スケキヨ氏ら、
複数メンバーで春と秋にかけ複数回、
場所を手探りで到達でき、
私ニナにとってたいへん貴重な経験をつませていただきました。
自分にとって今後の探索に役立つことでしょう。
最後に、すこし話はかわりますが、
羽幌町で探索した後三度とも行ったご飯屋さんの『志(こころ)』さん、おすすめです。
羽幌町の飲食店は土日閉まっていることが多かったので、
苫前町まで足を伸ばすことになりますが、
志さんは何を食べても美味しいのでチェックしてみてください。
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