【北海道】網走市 網走駅前〜中央商店街 apt.4 & 飲み屋街散策記
息をのむ夕焼けと、懐かしさの商店街
はじめに:観光地じゃない網走で出会った夕暮れの奇跡
「網走=刑務所」そんなイメージが定着しているこの地に、こんなにも美しい夕焼けがあったなんて──。
駅前から足の向くまま歩いたその道すがら、ふと顔を上げた瞬間、商店街の向こうに広がる黄金色と群青が混じり合う空に、思わず息を呑んだ。
静かな商店街の通りを照らす夕陽。その光は、シャッターが下りた店の壁を、誰かの記憶ごとやさしく照らしていた。そんな、時間の隙間に入り込んだような旅だった。
駅前から始まる静かな旅
網走駅:夕暮れの匂いがする出発点
網走駅前のホテルから出た瞬間、
空は少しだけ赤く染まり始めていた。
澄んだ空気の中、どこか懐かしさを感じる駅舎のたたずまいが目に入る。
私の地元、観光地小樽とは違い、
タクシーが数台並ぶ駅前、その先に続く通りの上には、
ゆっくりと日が傾いていく。
「今、いい時間に来れたな」と思った。
この静かな玄関口で、
たしかに旅のスイッチが入った…そんな気がした。
中央商店街 apt.4:夕暮れに染まる通りで
通りが金色に染まる瞬間
駅前からほどなく歩くと、APT.4(網走パステルタウンの略)と呼ばれる商店街があった。
正式名称は網走中央商店街?というのだろうか。
ここでは建物の壁やアーケードの影が、ゆっくりと夕陽に飲まれていくのがわかった。
写真に撮るとそれはまるで、
時代をまたぐワンシーンのようだった。
営業を続けるお店の灯りと、シャッターが降りた店の静けさ。
そのコントラストすらも、
夕焼けがすべて包み込んでくれるような空気感があった。
程よく再開発のような跡もあり、
まだまだこれからもこの商店街は残っていってくれるだろう…という気持ちがあった。
飲み屋街:灯りの名残と静かな気配
路地裏のネオンに夕暮れが溶けていく
飲み屋街に足を向けたころには、街灯と空のコントラストがぐっと深まり、
路地裏はまるで時間の止まった迷路のようだった。
ネオンの残骸、色あせた看板、少しだけ風が吹いた路地裏に、
「ここには多くの人がいたんだ」と思わせる静かな証が残っていた。
おわりに:あの夕焼けに出会うために歩いたのかもしれない
動画を撮りながら歩いていたのに、
カメラを一度止めて、ただ夕空を眺めていた時間があった。
それほどに、あの夕焼けは強く記憶に刻まれている。
観光地ではなかったかもしれない。
でも、あの時間の網走は、どこよりも美しかった。
もう一度歩いてみたいと思える場所だった。
そして、
街歩きの締めくくりに立ち寄ったのが、
居酒屋「きた鳥」。

落ち着いた雰囲気の店内で食べた焼鳥と海鮮物が本当においしくて、
旅の疲れがほどけていくような夜だった。
Youtubeで動画をアップしたあと、
視聴者さんから「お店、閉店するらしいですよ」という情報をいただいた。
少し寂しい気持ちになっていたのだけれど、
後日、店長さんが独立して営業を続けることが決まったと聞いたときは、なんだか嬉しくなった。
たった一度の来訪者だったかもしれないけれど、
またあの味に出会えるかもしれないと思えることが、心のどこかを温めてくれた気がする。
このブログが、
網走という街の今を、
少しでも誰かに伝えるきっかけになればいい。
そして、「行ったことがある」人だけでなく、
「帰れないけど気になっている」誰かにも届けば、
こんなに幸せなことはない。
おわり。
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