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「最北の木造駅舎の秘境駅」抜海駅…。駅舎いよいよ解体へ――開業101年の歴史と魅力を振り返る

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【探訪・記録】
2025年3月15日から数日…駅廃止後の様子。駅名は消えている。

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JR宗谷本線にかつて存在した抜海(ばっかい)駅が、2025年7月中旬から8月にかけて駅舎解体工事に入ります。3月のダイヤ改正で正式に「廃止」されたばかり。
“最北の秘境駅”として愛された木造駅舎が姿を消す前に、
開業から101年の歩みをまとめました。

抜海駅を空から撮影したもの。

抜海駅の外観と魅力――映画ロケ地にもなった木造駅舎

1924年…戦前に開業した抜海駅は、1940年に建替えられ現在の木造の駅舎になりました。素朴な軒下の風除室が特徴的。しばしば映画などのロケ地撮影され、『南極物語』(1986年)や『北の桜守』(2018)など多くの作品、扱われている。そのため映画のファンや旅人、鉄道ファンのフォトスポットになっていました。

北の桜守『映画.com』のページはコチラ

抜海駅の歴史を年表で振り返る

開業から国鉄時代まで

  • 1924(大正13)年 6月25日:天塩北線の駅として開業
  • 1926 年:天塩線に改称
  • 1930 年:宗谷本線に編入
  • 1949 年:国鉄移管
  • 1977 年:貨物取扱い廃止
  • 1984 年:無人駅化(出札・改札終了)
  • 1986 年:電子閉塞化で完全無人化
  • 1987(昭和62)年 4月1日:JR北海道へ移管

“存廃論争”と廃止決定まで

  • 2019 年:JR北海道が自治体に維持負担を要請
  • 2021 年:稚内市が維持費を一時負担し存続
  • 2024 年 6月:開業100周年式典
  • 2025 年 3月15日:ダイヤ改正で駅廃止

年表出典:Wikipedia「抜海駅」ほか新聞報道 

ついに解体――2025 年 7 月中旬から 8 月末まで

JR北海道によると、老朽化と維持管理費の問題から7 月中旬に解体着手し、8 月中に完了予定。駅名標や駅名板は稚内市から地元自治会に譲渡され、自治会館で展示される見通しです。

抜海駅からドローンで撮影した晴れた日の利尻富士が美しすぎる。

現地へ行く前に知っておきたいこと

  • 駅舎立入禁止:工事期間は近づけません。撮影は離れた場所から。
  • アクセス:国道40号から車で約25分。公共交通は宗谷バス「抜海」停留所が最寄り。
  • 駅名標の展示先:解体後は抜海自治区会館に移設予定(時期未定)。

宗谷エリアの駅・木造駅舎を巡るなら

宗谷本線には、北の玄関口〈南稚内駅〉の木造モルタル駅舎(1953年築)や、抜海駅の後を継いで“日本最北の木造駅舎”となった〈兜沼駅〉など、戦前・昭和期の木造駅舎が今も点在しています。
また、同じく3月15日のダイヤ改正に伴い廃止となった雄信内駅は日本有数の秘境駅と知られているので、解体される前に見ていくと良いでしょう。

まとめ:最北の木造駅舎に、最後の“ありがとう”を

駅ノートに綴られたどこかの旅人の言葉――「次に来るときも、まだ駅舎が残っていますように」。残念ながら願いは叶わなくなりますが、
抜海駅の駅名標や看板は地元で保存され、記憶は残り続けます。
解体前に足を運ぶ方は安全第一で、現地の案内に従ってください。

2025年3月15日から数日…駅廃止後の様子。駅名は消えている。

長い間おつかれさま、抜海駅。
最北の木造駅舎が残した景色と物語を、私たちは忘れません。

ニナでした!
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【北海道】宗谷本線 抜海駅が今月で消える…最北の無人駅、最後の姿

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