「このスープだけで白飯3合はいけるんじゃないか?」
美唄市茶志内にある「味の大王」で、思わずそんなことを考えた。2026年10月21日、カレーのチャーシュー麺とライスをいただいたのだが、これが予想を大きく超えるおいしさだった。
これまでいろいろなカレーラーメンを食べてきたけれど、今までで一番好きかもしれない。しかも、ここは単に昔から続くラーメン店というだけではない。室蘭カレーラーメンの始まりに関わった人物が、後に美唄で開いた店なのだ。
今回は実際に食べた一杯と店での出来事、そして苫小牧から室蘭、美唄へと続く「味の大王」の歴史を紹介したい。
訪問日:2026年10月21日。料金とメニューは訪問時の記録。
美唄・茶志内「味の大王」へ。南茶志内神社のすぐ横にある店
お店があるのは美唄市茶志内町本町。国道12号から少し入った、南茶志内神社のすぐ横だ。
タイル張りの外壁や木造の庇には年季が入り、入口には少し色褪せた赤い暖簾。「元祖 カレーラーメン 味の大王」と書かれた看板、脇に立つ赤い「らーめん」の幟が目印になる。訪れた日は雨上がりで、道路にはまだ水たまりが残っていた。

入店したのは午前11時半前。すでに先客が7人いて、席に着けたのは11時40分を過ぎてからだった。
驚いたのは、奥さんが一人で店を切り盛りしていたこと。注文を受け、調理し、お客さんに対応する。忙しそうに動く姿を見ながら、ラーメンができあがるのを待った。
年季の入った小さなお店。正直、食べる前はそこまで大きな期待をしていなかった。ところが、その予想はいい意味で見事に裏切られることになる(笑)
カレーチャーシュー麺850円を実食。小ライスでは足りなかった
最初は大ライスを注文したのだけれど
注文したのはカレーのチャーシュー麺(850円)とライス。実は最初、大ライス(150円)をお願いした。合わせてちょうど1,000円。奥さんが一人で忙しそうにしていたので、会計で釣り銭を出す手間を減らせたらと思ったからだ。
ところが、この日はご飯が残り少ないとのことで、小ライス(100円)に変更。合計950円になった。こればかりは仕方がない。ただ、食べ始めてみると、むしろ大ライスでも足りなかったかもしれないと思うほど、白飯が進む一杯だった(笑)


まずスープがうまい。白いご飯が止まらなくなる

運ばれてきた丼には、大きなチャーシューが重なり、中央に刻みネギ。もやしや海苔も入っている。茶褐色のカレースープに黄色い縮れ麺が沈む、なんとも食欲をそそる一杯だった。

さっそくスープをひと口。これが、めちゃくちゃおいしい!カレーの味が好みにぴったりで、思わずもうひと口、さらにもうひと口。ご飯が欲しくなる味なのだ。

スープを吸わせた海苔を白飯と一緒に食べる。これがまたうまい。大きなチャーシューもご飯にのせてみたら、当然のようにおいしい。ラーメンを食べに来たはずなのに、ご飯のおかずが次々に増えていく(笑)

そして気づいた。小ライスでは全然足りない!大ライスを頼めていたとしても、きっと同じことを言っていたと思う。このスープだけで白飯3合はいけそうだと感じるほどだった。もちろん実際に3合を食べたわけではないけれど、それくらいご飯との相性が良かった。
結局、スープは最後の一滴まで完飲。これまで食べたカレーラーメンの中でも、特に好きな一杯になった。
会計は950円。千円札を渡して、50円のお釣りは辞退して店を出た。忙しそうな奥さんの手間を少しでも減らしたかったし、何より本当に満足できる一杯だった。
次に行けたら、またチャーシュー麺を食べたい。そして今度こそ、大ライスも頼みたい(笑)
「味の大王」の歴史|苫小牧から室蘭、そして美唄へ
1965年、苫小牧で考案されたカレーラーメン
「室蘭カレーラーメン」は北海道のご当地グルメとして知られるが、その系譜をさかのぼると苫小牧の「味の大王」に行き着く。
味の大王総本店の公式情報などによれば、1965(昭和40)年に創業者の高橋一郎さんがカレーラーメンを考案した。札幌の味噌、旭川の醤油、函館の塩に続く味を目指し、カレーとラーメンを組み合わせたという。
当初から人気だったわけではなく、店の看板メニューとして出し続けるうちに知られるようになっていった。
1971年、小柳弘さんが室蘭・輪西に店を開く
室蘭での始まりは1971(昭和46)年。小柳弘さんが室蘭市輪西町に「味の大王」を開業したことが、室蘭カレーラーメンの歴史の出発点とされる。
当時の輪西は製鉄業とともに栄えた地域。北海道ファンマガジンの取材によると、店では多くのラーメンが売れたが、最初からカレーラーメンが一番人気だったわけではなく、味噌ラーメンの注文が中心だったという。
その後、室蘭や周辺にカレーラーメンを出す店が増え、長い時間をかけて地域を代表する味になっていった。
2005年、美唄・茶志内へ。今も奥さんが受け継ぐ一杯
その小柳さんが2005(平成17)年に美唄市茶志内で開いた店が、今回訪れた「味の大王」だ。『プレス空知』でも、南茶志内神社の横に2005年に開いた店として紹介されている。
訪問時に奥さんから聞いた話では、ご主人の小柳弘さんは2025年に亡くなられたという。室蘭の店は親族が引き継いでいるそうだ。一方、茶志内の「味の大王」は、奥さんご自身が今も切り盛りしている。訪れた日も一人で注文を受け、調理から会計までこなしていた。
苫小牧から室蘭へ、美唄へと受け継がれたカレーラーメンを、今も奥さんが茶志内で作っている。そう思うと、あの一杯がますます特別なものに感じられた。
以前には室蘭の「小舟」でもカレーラーメンを食べている。別のお店の味が気になる方は、室蘭「小舟」のカレーラーメンとやきとり丼の記事もどうぞ。
美唄「味の大王」のメニュー・営業時間・アクセス
メニューと料金(2026年10月訪問時)
| メニュー | 価格 |
|---|---|
| 味噌・塩・醤油・カレーラーメン | 各700円 |
| チャーシュー麺(味噌・塩・醤油・カレー) | 各850円 |
| 大盛り | 100円増し |
| ライス(小) | 100円 |
| ライス(大) | 150円 |
今回はカレーのチャーシュー麺と小ライスで計950円だった。支払いは現金。なお、店内には動画撮影禁止の案内があった。
住所・営業時間・定休日
- 店名:味の大王(美唄・茶志内)
- 住所:北海道美唄市茶志内町本町5
- 電話:0126-65-2290
- 営業時間:11:00〜13:30
- 定休日:土曜・日曜・祝日
営業時間・定休日は美唄市の公式店舗紹介を参照した。変更も考えられるため、遠くから訪れる場合は事前に確認しておきたい。
決して派手なお店ではないけれど、これほど好みに合うカレーラーメンに出会えるとは思わなかった。茶志内まで足を運んでよかった。次は、もう少し早めの時間に訪ねて、大ライスにも挑戦したい。
参考資料
- 美唄市「味の大王」(所在地・営業時間・定休日)
- プレス空知「ラーメン味の大王」(2005年開業・2022年の価格)
- 味の大王総本店 公式サイト(苫小牧での考案)
- 北海道ファンマガジン「室蘭カレーラーメンの誕生秘話」(1971年の開業)



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