小樽で寿司を食べるといえば、観光客でにぎわう寿司屋通りを思い浮かべるかもしれない。でも、そこから奥に入って行った花園の嵐山通りにも、手頃な価格で職人の握りをランチで楽しめる店がある。
「おたる 魚亭(うおてい)」を知ったのは、知人から紹介されたことがきっかけだった。私が訪れた2023年4月、ランチの磯寿司セットは税込935円。握り寿司に小鉢、茶碗蒸し、味噌汁、さらに食後のコーヒーとお菓子(デザート)まで付くという。
正直、少しなめていた。スーパーの寿司だって1000円近くすることがあるのに、寿司屋のランチが935円だと?そんな先入観が、最初の一貫でひっくり返った。

小樽・花園の嵐山通りにある「おたる魚亭」
魚亭は北海道小樽市花園1丁目6番4号、嵐山通り沿いにある。通りから見える看板を目印に建物の奥へ進むと入口がある。知人に連れてきてもらわなければ、私ひとりではけっして入ることはなかっただろう。
店内は昔ながらの寿司屋らしい落ち着いた雰囲気。
店主は頑固な職人を思わせる風貌で、女将さんはその半歩後ろに控えるような、どこか昭和を思い出させる佇まいだった。
もちろん、これは短い滞在の中で私が受けた印象にすぎないが。


935円の磯寿司セット。最初のとびっこで考えが変わった
当時は握りの「磯寿司セット」と生ちらしのランチがあった。私が注文したのは握りの方だ。生ちらしは食べていないので、ここでは握りについてだけ書いておきたい。
私は寿司を食べるとき、それほど好きではないネタから食べる。好きなものは最後に残して、その味の余韻を楽しみたいからだ。
だから、最初に手を伸ばしたのはとびっこの軍艦だった。正直、とびっこはあまり好きなネタではない。スーパーの寿司にも何となく付いている、あのプチプチしたもの。そんな認識だった。
ところが、一口食べて思った。「ああ、違うわ」
確かにプチプチしている。でも、ただプチプチしているだけではない。何がどう違うのか、今でもうまく説明できない。それでも、普段何となく食べていたとびっことは違うと感じた。
自分の語彙力や表現力では表現しきれないがとにかく違うのだ。
935円だからと勝手に侮っていた。その考えが、最初の一貫で変わってしまった。

最後の方に食べた赤身マグロ。しっとり、とろっとした余韻
そして、最後の方に食べたマグロ(赤身)がまた美味しかった。
赤身なのに、しっとりとして、とろっとした口当たり。程よい脂と、赤身らしい味わいが一緒に感じられる。舌にのせ噛んだ瞬間、ホロっと溶けていく感じだ。
脂が多ければいいというものではない。
あの赤身と脂、シャリの握り加減が絶妙だったのだ。
好きなネタを最後に残して、食べ終えた後もその味の余韻を楽しむ。いつもの食べ方だけれど、この日は特に満足した。最初のとびっこにも、最後のマグロにも驚かされた昼だった。
茶碗蒸しに小鉢、食後はコーヒーとお菓子まで
寿司に加えて、小鉢、茶碗蒸し、味噌汁も付いてきた。しかも女将さんが、食後にはコーヒーとお菓子も出ると説明してくれた。
寿司を食べ終えた後、コーヒーとお菓子で一息つく。935円でここまで楽しませてもらえるとは思っていなかった。値段を聞いたときの疑いは、食後にはすっかり消えていた。

2026年のランチは1000円。生ちらしは終了との口コミも
ここまでの体験は、私が2023年4月に訪れたときのもの。その後の価格や提供内容は変わっている。
2026年3月・4月・9月の訪問口コミでは、握りのランチが税込1000円と報告されている。また、2026年3月の口コミには、以前あった生ちらしランチがなくなったとの記述もある。ただし、私は店に直接確認したわけではないので、最新のメニューは訪問前に確認してほしい。
2026年の口コミでも、握りの食べ応えや小鉢・茶碗蒸し・食後のドリンクを含む満足感が評価されている。私が食べた2023年の磯寿司セットは、最初のとびっこから予想を裏切られた。最後の方に味わった赤身マグロも、しっとりとした口当たりと程よい脂、赤身の旨さが印象的だった。935円という値段を考えれば十分、という話ではない。値段を抜きにしても、美味しい寿司だった。
おたる魚亭の場所・店舗情報
- 店名:おたる 魚亭(うおてい)
- 住所:北海道小樽市花園1丁目6-4
- 電話:0134-23-9878
- 営業時間:昼11:00〜14:00、夜17:00〜22:00(掲載情報。変更の可能性あり)
- 定休日:火曜日(掲載情報)
- ランチ価格:磯寿司セット1000円(2026年の訪問口コミによる)
参考:食べログ「おたる 魚亭」/訪問口コミ一覧。営業時間・価格・提供メニューは変更される場合がある。
小樽で手頃な寿司ランチを探すなら、奥沢の寿司善も
小樽で手頃な寿司ランチを楽しめるのは、魚亭だけではない。奥沢の「すし処 寿司善」では、私自身が握りと生ちらしを別々の日に食べ比べた。小樽・奥沢「寿司善」の950円寿司ランチを食べ比べた記事も、よかったら読んでみてほしい。
魚亭は、期待していなかった最初の一貫で驚かされ、最後のマグロで満足した店。寿司善は、握りと生ちらしを比べながら、店の人との会話まで楽しめた店。どちらにも、それぞれの良さがあった。


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